発掘調査(令和6年度)一覧

令和6年5月2日 馬面遺跡発掘調査の整理作業を実施しています

昨年度、市内喜久田町で新たに発見された遺跡の発掘調査を実施しました。
(令和6年2月28日 郡山市喜久田町で発掘調査を実施中!)

その遺跡は”馬面遺跡”と名付けられ、整理作業と調査報告書の作成が進められています。
今回は、中でも特徴的な遺構・遺物について少しだけご紹介したいと思います。

落し穴と考えられる土坑の底からは、完形に近い縄文土器の小型深鉢が逆さの状態で見つかりました。
土器の特徴から、縄文時代前期と考えられます。

調査区の西側では、掘立柱建物跡とたくさんの柱穴が見つかりました。
それらは溝の内側に集中していることから、周囲を溝で囲んだ屋敷跡があったと推測されます。
以前の記事で紹介した青磁碗などが出土していることから、中世と考えられます。

調査区の東側を南北に通る溝跡です。
屋敷跡を囲む溝跡よりも規模が大きく、V字のように下の方がすぼまる形をしていることが特徴です。
戦国時代に敷設されたものかもしれません。

そのほか、古代~中世のものとみられる焼骨遺構や、平安時代の土師器・須恵器なども見つかりました。
このように、馬面遺跡は縄文時代から中世にかけて幅広い時代に機能していたことが明らかとなりました。

引き続き、報告書の刊行に向けた作業を進めてまいります。

2024年05月02日

令和6年7月25日 正直古墳群で測量調査を実施しました

7月は正直古墳群で墳丘の測量調査を実施しました。
調査の対象となった24・25号墳は、昨年度に発掘調査を実施した27号墳の南西に並んでいます。

25号墳のようすです。
写真の右奥が少し盛り上がっているのが分かるでしょうか。

トータルステーション(光波測量機)を使って、墳丘の形や等高線を記録していきます。

調査の結果、2基とも円墳で、24号墳は直径約8m、25号墳は直径約17mあることが分かりました。
両古墳は、26号墳や昨年の調査で新たに発見された44・45号墳と共に、27号墳を中心とするグループを構成していたようです。

2024年07月25日

令和6年8月27日 郡山市横塚で発掘調査を実施しています

8月中旬から、郡山市横塚で発掘調査を実施しています。

先月に試掘調査を実施したところ、古墳の周溝らしき遺構が見つかったことから、その規模や性格などを明らかにするための発掘調査を行うこととなりました。

黒い円の部分が古墳の周溝の範囲で、内寸で約10mを測ります。
北隣にある神社の境内にも墳丘が1基残っており、関連性がうかがえます。
もしかするとこれらの古墳は、「横塚」の地名の由来となったものかもしれません…

2024年08月27日

令和6年8月30日 小学生の皆さんが見学に来てくれました

郡山市立芳賀小学校の皆さんが、郡山市横塚の発掘調査現場へ見学に来てくれました。

神社で挨拶をして、境内に残る墳丘について話をした後…

調査範囲をぐるりと囲んで、今回の調査で明らかになったことや、古墳時代の社会に関することなどを説明しました。
身近な場所で古墳が見つかったことに、子どもたちや先生方も非常に驚いていました。
中には、親御さんと一緒に再び調査現場へと足を運んでくれた生徒さんもいました。

今回の見学をきっかけに、身近な歴史に関心を抱き、地域により愛着をもってもらえると良いですね。

2024年08月30日