昨年度、市内喜久田町で新たに発見された遺跡の発掘調査を実施しました。
(令和6年2月28日 郡山市喜久田町で発掘調査を実施中!)
その遺跡は”馬面遺跡”と名付けられ、整理作業と調査報告書の作成が進められています。
今回は、中でも特徴的な遺構・遺物について少しだけご紹介したいと思います。
落し穴と考えられる土坑の底からは、完形に近い縄文土器の小型深鉢が逆さの状態で見つかりました。
土器の特徴から、縄文時代前期と考えられます。
調査区の西側では、掘立柱建物跡とたくさんの柱穴が見つかりました。
それらは溝の内側に集中していることから、周囲を溝で囲んだ屋敷跡があったと推測されます。
以前の記事で紹介した青磁碗などが出土していることから、中世と考えられます。
調査区の東側を南北に通る溝跡です。
屋敷跡を囲む溝跡よりも規模が大きく、V字のように下の方がすぼまる形をしていることが特徴です。
戦国時代に敷設されたものかもしれません。
そのほか、古代~中世のものとみられる焼骨遺構や、平安時代の土師器・須恵器なども見つかりました。
このように、馬面遺跡は縄文時代から中世にかけて幅広い時代に機能していたことが明らかとなりました。
引き続き、報告書の刊行に向けた作業を進めてまいります。